
実機画面|就寝前の儀式の空間
心拍変動(HRV)と脳波
心拍変動(HRV)
心拍と心拍の間隔は一定ではなく、毎回ミリ秒単位でわずかに揺らいでいます。この揺らぎが HRV です。自律神経系の調節を受けるため、からだが緊張しているか、リラックスしているかを見る手がかりとしてよく使われます。一方で、年齢、性別、姿勢、呼吸、睡眠、運動、その日の体調にも左右されるため、他人と比べるよりも自分と比べるほうが意味があります。
| 心拍数 | 1 分間の拍動数 |
| RMSSD | 隣り合う心拍間隔の差。休息・回復に関わる調節を見る指標としてよく使われます |
| SDNN | 一定時間内の心拍間隔の全体的なばらつき |
| pNN50 | 隣り合う心拍間隔の差が 50 ミリ秒を超える割合 |
| 周波数領域の指標 | 心拍の揺らぎに含まれる、リズムの異なる成分それぞれの強さ |
脳波(EEG)
脳波ヘッドバンドを使う場合は、頭皮の表面で脳の電気的な活動を記録し、集中やリラックスといった状態の変化を見ます。脳波と HRV はそれぞれ単独でも、2 台のデバイスを組み合わせても使えます。
信号のクリーニング
信号をクリーニングし、リラックスしているときの心身の信号を取り出します。装着不良や体の動きによる異常な心拍間隔は、あらかじめ除外します。
3つのサンプリング区間
どの区間も5分間です。区間の選び方が、レポートを比較でき、説明できるかどうかを決めます。
| 記号 | 名称 | 取り方 | わかること |
|---|---|---|---|
| ○ | 開始前 | 開始5分前から、最長で開始10分後まで。この15分間で信号品質が最もよい5分間 | 今日の基準となる状態 |
| ● | ジャーニー中 | 開始10分後から終了まで5分ごとに区切り、信頼できるデータが8秒以上欠けた区間を除いて平均。35分のジャーニーなら最大5区間 | リラックスが働き始めてからの全体の状態 |
| ★ | セッション中の最良値 | ジャーニー中の区間のうち最もよい区間と、その時間 | ジャーニーのどこで最も心地よく、整っていたか |
3つの区間の使い方
- ○ → ● がそのセッションでの変化です。
- ★ は最も心地よかった時間帯:単独で示し、開始前とは差し引きません。
- セッションをまたいで ○ を比べると、ふだんの状態の長期的な推移がわかります。
開始前に静かに待つ理由
流れに慣れた人は、始まるとすぐにリラックスします。開始前の静かな待機で、「開始前」がふだんの状態を捉えるようにしています。変化は開始前の測定を終えた人で計算します。
自社開発の測定・区間選択アルゴリズム
参加者は動き、信号はときどき途切れ、リラックスに入る時間も人それぞれです。データが届いた瞬間から、アルゴリズムはこうした状況に合わせて設計されています。
- データの取得アームバンド、胸ベルト、脳波ヘッドバンドから心拍間隔と脳波を受信
- 短い欠損の補完研究で認められた方法で短い途切れを補い、動きによるずれも一部補正
- 15分間の基準探索15分間のうち信号が最もよい5分間を「開始前」に
- 平均の除外ルール信頼できるデータが8秒以上欠けた区間を除き、標準の5分区間で平均
- 最良区間の表示最もよい区間がジャーニーのどの時間だったかを表示
- 有効データの透明性レポートごとに使った区間数と有効秒数を表示
長い欠損は推測で埋めずに除外します。レポートは信頼できるデータだけを使うため、セッション間・参加者間で比較できます。
HRV と脳波の 6 軸レーダーチャート
各軸は 0〜100 の相対スコアで、変化の方向を見るためのものです。
| HRV 6 軸 | 一般的な説明 |
|---|---|
| 覚醒度 | 目が覚めていて、活力がある度合い |
| 調整力 | 緊張とリラックスのバランス |
| コヒーレンス | 心拍リズムと呼吸の同調。呼吸がゆっくりになったときに多く見られます |
| 回復力 | 休息・回復に関わる調節 |
| レジリエンス | 調節のゆとり |
| 睡眠力 | からだが休息モードに切り替わっている度合い |
| 脳波 6 軸 | 一般的な説明 |
|---|---|
| 思考力 | 考えたり、情報を処理したりしているときの状態 |
| 瞑想力 | 静かに内面に意識を向けているときの状態 |
| 集中力 | 注意が一点に向いている状態 |
| 回復力 | 休息・回復に関わる状態 |
| レジリエンス | 状態を切り替える柔軟さ |
| 睡眠力 | 休息や入眠に近い状態 |
自律神経の等価年齢
参照基準値をもとに、いくつかの HRV 指標を「等価年齢」に換算します。いまの数値が、同じ性別のおよそ何歳の人によく見られる水準にあたるかを示すものです。ミリ秒よりも年齢のほうが直感的にわかります。レポートでは次のように示します。
- 開始前とジャーニー中の両方を示し、変化を見ます。
- 実年齢は本人のレポートにのみ表示されます。
- 参照基準値は継続的に更新します。
ジャーニー中の 4 つの状態
覚醒
ふだんの目覚めて活動している状態
移行中
ペースが落ち着いてきている状態
安定したリラックス
リラックスに入り、それを保っている状態
深いリラックス
そのセッションで最初に現れた安定したリラックスよりも深い状態。入眠に近いときによく見られます
安定したリラックスに入るまでにかかった時間、安定したリラックスと深いリラックスがそれぞれ何分続いたか、まっすぐ落ち着いていったのか行きつ戻りつしたのか、そしてからだが短時間ではっきりと調整を見せた「自律神経のすばやい調整」の区間がわかります。
データ品質と示し方の原則
- デバイス:胸部に装着する心拍ベルトのデータが最も安定しています。レポートには有効データの秒数を明記します。
- 分母の明示:法人向けレポートには、人数、セッション数、データのカバー率を必ず表示します。
- 匿名化:法人が見られるのは、匿名化した集団の集計のみです。
統計手法の原則
- 群間比較には 95% 信頼区間と効果量を添え、ルールに基づいて平易な言葉の解釈文を生成します。
- 比較するグループが多いほど偶然の差が出やすくなるため、4 グループを超えると注意を表示します。
- 研究機関は、匿名化した研究用エクスポートを研究倫理審査に沿って利用できます。
HRV と脳波の基礎知識
指標の定義と測定方法は、国際的な基準と方法論の文献に基づいています(Task Force, 1996;Shaffer & Ginsberg, 2017;Laborde et al., 2017)。呼吸と HRV の関係は(Lehrer & Gevirtz, 2014;Laborde et al., 2022)、LF/HF をめぐる議論は(Billman, 2013)を参照してください。
詳しくは心拍変動(HRV)とは、脳波(EEG)とは、そして検証済みの 37 本の論文をまとめた研究のまとめをご覧ください。これらの数値がレポートでどう表示されるかは、レポート例をご覧ください。